経験・知恵

祖母の教え「お金は形に残らないものに使いなさい」

僕の祖母はもう90歳を超えてますが、頭もはっきりしていて実家で元気に暮らしています。祖母が今もしっかりしているのは若い頃から商売で磨かれてきたからじゃないかなと思っています。僕が高校を卒業して大学に入学するために静岡へ出発する時、祖母は私に「お金は形に残らないものに使いなさい」と言って送り出してくれました。当時はよく意味がわからなかったのですが、今になって良い教訓だなと思うようになったので、今日はそのことについて書いてみようと思います。

祖母は北海道の洞爺湖畔の洞爺村で生まれました。祖母の実家は大変な資産家で、曽祖父は北海道に鉱山をいくつも持って経営していたそうです。時々汽車で大阪まで行っては売り上げのお金を身体中にくくりつけて目立たないようにして帰ってきていたそうです。祖母は10数人兄弟の末娘で、まだ洞爺村の子供達が裸足で外を走り回る時代に赤いゴム靴を履いていました。つまり子供の頃は、超お嬢様で育ったんだそうです。このころの話は子供の頃から色々聞かされてきましたが、当時の社会状況など考えると現代にはありえないような本当の超お嬢様です。

ところが、嫁ぎ先で状況は一変します。当時商売を始めたばかりの楠本家に嫁いだ祖母はそれまでの生活からは打って変わって極貧の時代を過ごしています。子供に服もおやつも買ってあげられないほど生活が困窮していたそうです。また、取引先の倒産や、借金の連帯保証人をなんどもかぶったりもして、生活は苦しくなるばかりでした。30歳の時に胃がんを患い、胃と十二指腸を全摘出し、体も衰弱している中、退院して翌日には配達に走っていました。今の僕には考えられないほどの苦労です。それでも、生活も商売も楽にならず、祖母は保険の営業や土地の売買を通して生活費を稼いでいました。

祖母は僕が小さい頃から、苦労は買ってでもしなさい。海外に行って外の世界を見なさい。経験が一番自分の肥やしになるからいろんな経験をしなさい。と、何度もなんども言って聞かせてくれました。

お金は形に残らないものに使いなさい。という教えは、大学時代に精一杯やりました。お金を稼いでは海外に出かけ、富桜祭実行委員会に全力を傾けて取り組み、後輩達のためにお金と時間をたくさん使いました。形の残らないものというのは、旅行で見聞を広げる、友達と一緒にご飯を食べる、無償の活動に全力を注ぐこと、全て経験や知恵に繋がります。その知恵が、将来自分が飯を食っていく糧になっていくのだと思います。これが、波乱万丈の人生を歩んだ祖母の人生の教訓です。

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