起業・経営

創業者と後継者はどちらが難しいか。

さて、このテーマ。なぜ、今回こんなテーマにしたかと言いますと、日本には今385万社の中小企業があると言われています。これらの企業は今の社長が退任した後、誰が社長をやるのでしょうか。今後20〜30年の間にこれらの企業をの多くを引き継がなくてはいけない後継者が必要になります。今現在もこの後継者の候補になっている人は大勢いるはずです。

これらの企業を存続させるためにはざっくり言って385万人の後継者が必要になりますがこの数は尋常では有りません。多くの会社は後継で失敗して会社は清算しなければいけないというのもまた事実かもしれません。会社の後継はそれほど難しいのです。

社長というと、一般的にはお金持ってそうとか仕事しなくてよさそうとか変な偏見を持っている方も多いかと思います。ところが実際は、大部分の会社は利益を出せていませんし、多額の借り入れがある場合がほとんどです。会社を後継するというのは事業とともに、この借入金も引き継がなくてはいけないのです。

とはいえ、今すでに動いている事業を引き継ぐということはとりあえずはなんとかやれている状態の会社を後継するということなので、会社立ち上げに伴う生みの苦しみは経験しなくても良いとも言えます。

僕自身も祖父の代から続く食品卸問屋の3代目として生まれました。現在は、弟がその会社を後継する予定ですが、弟が帰ってくるまでは僕が後継するつもりで、勉強していましたから後継の大変さというのも実感しています。そして2011年に僕は自分の会社を創業して現在にいたるので、創業の大変さというのも身を以て体験しました。

私のような後継者界隈では、創業者と後継者どちらが難しいかという議論が時々あります。両方経験した僕から見ると、これはどちらも難しいと言えます。ただ、難しさの種類が違うように思います。

創業者の苦しみというのは産みの苦しみです。何も無いところから、商品を創り出し、売り上げを作り社員を雇用して大きくしていくというのは至難の業です。創業時は寝ている時間以外は仕事に全力を注ぐ必要がありますし、その上で寝る時間を削って仕事に邁進します。何もかも最初からうまくいきません。全力で課題を解決します。問題は毎日のように次から次へと起こります。まるでモグラ叩きのようにこれでもかこれでもかと仕事に邁進してやっと一筋の光が見えるというようなものです。ただ、創業者は夢にあふれています。実現したいものが明確です。仕事は創業者にとって「やりたいこと」であることが多いと思います。だから頑張れるのかもしれません。創業者というのは経験したことがない人にとって想像できないほどの困難があって難しいチャレンジと言えます。

後継者はどうでしょうか。後継者がいるということはある程度安定している企業になっていることが多いでしょう。今日明日のメシが食えない状況の会社では後継者を迎えることは難しいでしょうから。最低でも直近はなんとかなるという状況の会社でしょう。この会社を後継するということはまずは今までやってきたことを続けていけばいい。という観点から考えると産みの苦しみはそれほどありません。

では、後継はそれほど難しくないということでしょうか。僕は後継者は全く違う困難があると思っています。そもそも、会社というのは社長の器以上の会社にはならないと言います。その会社の規模は現社長の、社長としての器そのものです。社長は創業時から精一杯努力して、経験を積んで今に至りました。その会社を後継するということは、前社長レベルの経営者の器まで自分を急速に成長させなければいけないということです。ここに後継者の苦労があります。

後継した時に、前社長よりも小さい器の社長だったとしたら会社は数年で後継社長なりのサイズに事業が縮小します。主力の社員が辞める。メインの取引先がいなくなる。経営が赤字に陥るなど、問題は様々なところに現れます。

後継者の候補として一番多いのが社長の子供であるという場合でしょう。私もこのパターンでしたが、この場合が一番困難ではないでしょうか。20歳以上も離れて、社員からの尊敬も集める社長が引退し、その子供(社長のボンボンで生意気で苦労してなくて半人前のw)が後継するとなったら、それまで社長についてきた社員さんたちの心情は、どこかで納得していないものです。この20才以上離れた親から後継するということは、それだけ自分を急速に人間的に成長させなければいけません。ここに後継者の苦労があります。

創業者も後継者も経営者である以上、難しい仕事であることに変わりはありません。ただ、どちらであっても実際に自分が経営をして数年経てば経営者としての資質が問われます。自分自身の理念を磨くこと、人を雇う器、お客様のこと、商品のこと、お金のこと、あらゆる勉強をして会社を成長させていくことが僕は経営の道だと思います。

最後に、経営者になりたいと思っている人で、もし際立った起業のアイデアがないという人にとって、会社を後継するというのはベストな選択肢のように思います。実は後継者が不在で廃業の危機にある優良な企業は非常に多いと言われています。際立った技術を持っているのにも関わらず、社長が高齢のため古いやり方での経営しかできず利益を出せない会社になっていることは、多いようです。若い感覚を持って、その技術を活かし世の中に打って出ることはとても現実的な話です。経営を志す人がこれからもっと増えていくことを願っています。

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